東京都町田市が、シティプロモーションの一環として開催した子育て世代向けトークイベントで、電子チケットサービスteketを導入。800人規模の市民ホールでの指定席管理や事前アンケート機能を活用し、ベビーカー利用者の把握など細やかな運営を実現しました。急遽決まったイベントでアナログ運営からデジタル化への転換を図った背景と、行政における電子チケット導入のポイントについて、町田市役所 政策経営部広報課の皆さんにお話を伺いました。
「市内外から選ばれ続けるまち」を目指すシティプロモーション戦略
——本日はよろしくお願いします。まずは東京都町田市について教えていただけますか?

越智崇全さん
入庁11年目。広報課は2年目。担当課長として、シティプロモーションを始めとした広報業務全般をマネジメントしている。
越智さん: 町田市は人口43万人で、東京都内では八王子市に次いで2番目に大きな市です。交通の利便性が良く、駅前は栄えており、大きなデパートも多数あります。一方で、古くからある個人商店や商店街も元気で、新規起業も活発に行われているという特徴があります。
都市部の利便性がありながら、駅から少し離れると緑が豊富で、公園もたくさんあります。市として子育て施策には力を入れており、2022年度と2023年度の総務省の統計情報では、0歳から4歳の転入超過数が全国1位、0歳から14歳の子供世代の転入超過数も政令指定都市を除くと全国1位となりました。実際に子育て世帯に選ばれている街です。
——シティプロモーションの活動について教えてください。

本吉裕子さん
広報課4年目。シティプロモーション事業と記者会見やプレスリリースなどのパブリシティ事業を担当しています。
本吉さん: 町田市では、2022年度から2026年度までの基本計画を策定しており(まちだシティプロモーション基本計画22-26)、「市内外から選ばれ続けるまち」を目指して様々なプロモーションを行っています。現在はまちの活力を高めることをメインに事業を行っており、まちで何かしてみたい方や、町田を好きで暮らしている方、訪れてくれる方にフォーカスをした活動をしています。

越智さん: シティプロモーションを戦略的に進めるということで、昨年度はJ1に昇格したFC町田ゼルビアと子育て支援の2本立てで取り組むことにしました。町田市の特徴である子育て支援を全面的に打ち出していこうという中で、今回の「佐藤満春×てぃ先生トークイベント」を開催しました。
私たちが「子育て支援をやっています」と発信するよりも、お父さんお母さんたちに人気のある方を招いて、その方々を通じて周知したいという考えでプロモーションを行いました。子ども生活部とコラボして実施したイベントです。
急遽決定したイベントでの電子チケット導入
——teketを知ったきっかけを教えていただけますか?
越智さん: きっかけは、私がユーザーとして使ったことでした。町田市には町田フィルハーモニー交響楽団があり、そこがteketを使っていたんです。昨年の11月にコンサートを予約して見に行ったのが最初の体験でした。その時に、簡単にスマホで予約できるし、リマインドメールなども来て、サービスが丁寧だという印象がありました。
子育て世代向けトークイベントは、急遽開催が決まったんですね。その時に思い出したのがteketでした。
——どのようなスケジュールだったのでしょうか?

荒木涼太さん
入庁10年目。広報課は4年目。シティプロモーション業務を担当し、市の魅力発信に努めています。
荒木さん: このイベントは12月の1週目か2週目くらいに決まり、3月4日に開催。1月15日から募集開始をして、1月18日にプレスリリースという非常にタイトなスケジュールでした。イベント管理をアナログでやるか悩んだのですが、町田市民ホールは800人規模の施設なんですね。
指定席でのイベント運営を考えていたので、物理的な券を送るのか、座席表をExcelで作成して複数人で申し込んだ場合に端から埋まっていって次の列に行くのかなど、アナログでやる場合のシミュレーションを詳しく行いました。
その上で結論として「アナログ管理は難しい」と・・・・・・。「やはりデジタルでやるしかない」という判断になりました。
——teketを選んだ具体的な理由を教えてください。
越智さん: 総合的な判断です。まず、ユーザーが座席指定をできるかどうか。無料のイベントであれば無料で使えるというのもポイントでした。
そうやって絞っていき、teket以外にも同じタイミングで2社ほど問い合わせをしました。teketはすぐに返事が来て、レスポンスの早さも信頼感につながりました。
本吉さん: 申し込む前にアンケート機能があったのもポイントでした。今回はベビーカーでお子さんを連れて来場される方がいるトークイベントだったのですが、ベビーカーはロビーに置く都合上、台数を把握したかったんです。
事前にアンケートで、ベビーカーの有無やお子さんの人数などを聞けたことで、申し込んでくださった方がベビーカーで来るのか、お一人で来るのかが分かったので助かりました。
本吉さん: チケットの券種をこちらで設定できたのもポイントでした。その機能のおかげで「車椅子席」を用意することもできました。
——判断基準の中には、個人情報保護やセキュリティ面などもありますか?
越智さん: ありますね。お名前などの個人情報を収集しているので、個人情報を扱う業務の登録が必要だったり、システムのセキュリティ面もしっかりとデジタル部門でチェックを受けたりしました。その辺りはteketのサポート担当の方がかなり助けてくださいました。
また、NTTドコモさんの子会社である点も安心に繋がっています。我々は行政ということもあり、無料で使えるサービスであっても導入協議を行います。導入協議を行う中でもteketはスムーズに承認がおりました。
行政ならではの導入プロセスと評価ポイント

——当日のQRコード入場はスムーズでしたか?
越智さん: 当日は本当にスムーズでした。おそらくトラブルゼロだったと思います。対象が子育て世帯だったこともあり、スマホの画面をスキャナーにかざして入場することも、皆さん直感的に分かってらっしゃって。特別なご案内をしなくても、スムーズに入場されていました。
本吉さん: イベント運営に慣れていないこともあり、QRコードで全員がちゃんと入場できるのか、チケット情報に間違いはないか、などの不安はありました。でも、最初にお問い合わせをした時から、teketのサポート担当の方が、何かあるとすぐに対応をしてくださるので、そういった意味での安心感は常にありました。
——他の自治体におすすめできそうでしょうか?
——自治体の方が導入を検討する場合のポイントは何でしょうか?
越智さん: 自治体が導入を検討するには、セキュリティ対策がしっかりしていること、プライバシーポリシーの定めがあり、プライバシーマークのような第三者認証を受けていることは重要です。また、他の自治体での実績があるということも大きいです。そして、無料で使えるとハードルがぐっと下がると思います。
本吉さん: 導入前や導入後に、しっかりとサポートをしてくれる点も大きいと思います。teketのサポートは、本当に親身になって相談に乗ってくれるので、体制としても安心して導入を進められると思います。